2018年のプリツカー建築賞 バルクリシュナ・ドーシ
The 2018 Pritzker Prize Laureate Balkrishna Doshi
バルクリシュナ・ドーシ氏はこれまで70年間にわたって建築家、都市計画家、そして教育者として、インドの国内外において建築論の体系化に貢献した人物だ。20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエやルイス・カーンの影響を受けて建築を解釈し、西洋文化への敬意を作品に変換してきた。
ドーシ氏は、デザインとは、シェルターを住宅に、住宅をコミュニティーに、都市を機会が集まる磁石に転換するものであると語り、生涯をかけ、建築の芸術性と、人類への貴重な貢献を示して見せたことが選考理由になったようだ。
ドーシ氏は「建築の神髄の宝庫を生み出そうとしてきた私の人生や哲学、夢があり、その延長に私の仕事はある。この名誉ある受賞は、私の指導者であるル・コルビュジエ氏のおかげだ。彼の教えは、私がアイデンティティーを問い直し、新しい領域を自分のなかに受け入れるように導いてくれた。新しい領域とは、持続可能でホリスティック(全体的)な生活環境のための近代的な表現だ」と語った。
インドにおけるドーシ氏の代表作品
ル・コルビュジエのチャンディガールやアーメダバードの計画に従事し、パリやアーメダバードのアトリエでシニア・デザイナーとしてコルビュジエのもとで働いた後、インド西部アーメダバードに設計事務所「Sangath(サンガト)」を立ち上げた。
Amdavad Ni Gufa(1994)地中のアートギャラリーで、インドを代表する画家マクバル・フィダ・フセインの芸術作品を展示している。
Premabhai Hall(1976)街なかに立地し、幅広なテラスが通りに向かって突き出た形だ。
Bima Nagar(1973)生命保険会社の住宅も手掛けた。324ユニットを擁し、将来の成長を見越したプランを施している。