住吉の長屋 安藤忠雄
Rowhouse in Sumiyoshi Tadao Ando
住吉の長屋は安藤忠雄によって設計され、 1976年に竣工している。
端正なコンクリート打ち放しが特徴的な2 階建住宅である。
単純な形態によって構成された住宅であるが、内部に生み出された空間は驚くほどに豊かである。
住居における中庭の意味などこの住宅が提示した建築のあり方は深遠である。
住吉の長屋は長屋形式に連続する木造住宅の一つが建て替えられたものである。
敷地は西側でのみ接する前面道路 から奥に長い形状で両隣は木造住宅に接している。
玄関が、唯一の前面道路に通じる関口となっている。
1階には居間と食堂(台所を含む) と浴室(便所を含む)、2階には2つの寝室がある。
1階の居間と食堂、2階の2つの寝室の聞には中庭(外部空間) がある。
居住者は、居間から食堂に移動する際にあるいは寝室から便所・浴室に移動する際に外部空間であるこの中庭を通り抜けることになる。
シンプルな構成の住宅ではあるがここには大胆な空間構成が提示されている。 小さな住居の中に中庭が挿入されることによって生活と自然との関係が問い直されている。